連帯労組に対する大規模刑事弾圧を弾劾する声明
1 現在、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部(以下「連帯労組」という)に対する大規模な刑事弾圧が加えられている。昨年8月から今年9月までの間に、滋賀県警、大阪府警、京都府警、和歌山県警は、連帯労組の組合員が行った正当な労働組合活動に関連してのべ79名の組合員を逮捕した。そのうち66名が起訴され、今なお執行委員長を含む5名が身体拘束を受けている。
2 容疑の一つとされているのが、連帯労組の組合員が行った工事現場におけるコンプライアンス(法令順守)活動である。組合員が現場監督者に対して労働安全衛生法や道路法などの法令に違反した事実を指摘し、行政機関に申告するなどして違法行為の改善を求めたことが威力業務妨害罪にあたるとして立件されている。
そもそも工事現場において法令違反行為が行われていること自体許されず、組合員の活動は正当である。現場監督者が組合員や行政機関と対応して違法状態を解消することは、現場監督者の本来的業務であることからすれば、組合員の活動が「業務妨害」にあたるということはできない。
3 労働現場における労働者の安全衛生活動は、重大事故の背景にある軽微な不安全行為の芽を摘み、大きな労働災害を防止するうえできわめて重要な活動である。
連帯労組は建設業界におけるコンプライアンス活動を精力的に行っている。この活動は、労働者の安全確保だけでなく、生コンの安売りを規制して中小企業の経営の安定を図り、労働者の雇用や労働条件を維持・改善することに向けられたものである。それと同時に、建築物の品質確保や地域環境の保全など消費者や地域住民の利益にかなう活動でもある。
今回の大規模弾圧は、このような連帯労組の正当な組合活動を阻害するだけでなく、労働組合や市民団体による安全衛生活動を委縮させるものである。
4 わたしたちは、連帯労組に対する大規模刑事弾圧を弾劾し、公平かつ適正な裁判手続により冤罪が晴らされることを求めるとともに、今なお不当に拘束されている組合員の一日も早い釈放を求めるものである。
2019年9月29日 全国労働安全衛生センター連絡会議第30回総会 参加者一同