署名活動賛同人の方々のコメント(その2)

労働基本権を踏みにじる行為

日本体育大学教授(憲法学)
清水雅彦

関西地区生コン支部に対する警察による弾圧は、憲法28条で保障された労働基本権を踏みにじる行為であり、許されるものではありません。本来、憲法上保障されるはずの労働基本権が保障されていない日本の警察に、多くの労働者・市民が今回の弾圧は不当であるという声を上げることにより、労働基本権の重要性について認識させなければいけません。

このような弾圧を容認すれば、関西地区生コン支部以外の多くの労働組合に対する権利侵害を引き起こすことになりかねません。また、このような違憲行為に裁判所がお墨付きを与えるような判決を出すようなことがあれば、裁判所は「憲法の番人」に値しない組織であり、三権分立は茶番にすぎないことを如実に示すことになります。

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刑事上も民事上も免責されるべきもの

静岡大学教授(憲法専攻)
笹沼弘志

労働者が自らの賃金引き上げを求めるための争議行為は、憲法28条によって保障されています。

関西地区生コン支部の行為は賃金の引き上げを目的とするものであり、とられた手段も目的に適合した妥当なものであって刑事上も民事上も免責されるべきものです。

正当な労働組合活動を業者団体が攻撃するのはそもそも不当労働行為です。

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労働分野の壊憲ではないのか

ジャーナリスト
竹信三恵子

憲法28条が労組を作って交渉する権利を労働者に保障しているのは、働く現場をもっとも知っている者が、その実態に即して、暮らしの向上に必要な賃上げを求めることが、合理的で効率的な賃上げの方法だという経験値に基づいている。こうした権利が、ヘイトスピーチや暴力、警察による長期拘留、そして、一部マスメディアも動員する形で抑え込まれる。

これは、ある意味、労働分野での壊憲ではないのか。見過ごせば、やがて至る所で私たちへの権利侵害が始まる兆しではないのか。

「ナチスが最初共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかった 私は共産主義者ではなかったから。……彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった 私は労働組合員ではなかったから。そして、彼らが私を攻撃したとき 私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった」。

そんなナチス時代の牧師の言葉を、かみしめるべき時だ。

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自分たちの日常と地続きで起こっている

NPO法人アジア太平洋資料センター(PARC)共同代表
内田聖子

この数年で、NGOや市民団体、労働組合などの市民社会組織の活動への国家からの管理、介入がさらに進められてきた。特定秘密保護法をはじめとする法律等ももちろんだが、市民社会の側にも「お上にモノ言う」ことが忌避される空気が広がってきたと実感する。

こうしたことを背景に起こった今回の弾圧は、決して私たち市民社会組織にとって無関係ではない。自分たちの日常と地続きで起こっている出来事であり、自分たちにも起こり得ることとして、共有と支援の輪を広げていきましょう。

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公正さを欠いた捜査に抗議します

作家
中沢けい
労働組合活動に対する不当な弾圧であると感じています。公正さを欠いた捜査に抗議します。