3月にスタートした関西生コン弾圧事件の緊急署名活動について、各界で活躍される方々から、たくさんの賛同コメントが寄せられている。その一部をご紹介したい。
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「組織的犯罪集団」に仕立て上げようとしている
弁護士(元法務大臣)
平岡秀夫さん
関生支部に対する警察当局による捜査は、まさに、「共謀罪」(政府は、国民の目を欺くために「テロ等準備罪」と呼んでいる。)適用のための準備的捜査と言える。
労働組合が憲法28条によって保障される団結権・団体交渉権に基づき行った行動(ストライキ等)をも脅迫、威力業務妨害罪等に位置づけ、これらの行動を繰り返し行っている労働組合を「組織的犯罪集団」に仕立て上げようとしているのだ。
捜査の方法も、「共謀」を立証するために、スマートフォンを押収して、そこに記録された様々な情報を収集している。このような方法を駆使して、物的証拠が得にくい「共謀罪」の捜査方法を開拓しようとしているのだ。
これらの警察当局による捜査は、大阪府警、京都府警、滋賀県警の各本部の判断だけで行われているとは考えられず、「官邸ポリス」を中心とする国家警察の警備・公安部隊が暗躍しているに違いない。
してみれば、いつか必ず、「共謀罪」の適用が強行されるはずだ。我々は、そんな危機感を持って、関生支部事件に対処しなければならない。
裁判所が憲法に従った公正な裁判を行い、無罪判決を出すことを求めるこの署名を、多くの人に呼びかけます。
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労働者・市民全体のものと気づきたい
甲南大学名誉教授
熊沢誠さん
全日本建設運輸連帯労組の単組・関生支部は今、資本と国家・警察権力の結託する悪質きわまりない弾圧にさらされている。ゼネコンの収奪に喘ぐ中小零細の生コン事業の安定と対のものとして、働く人びとの労働条件を企業の枠を超えて守ってきた関生支部は、この業界全体を健全化する政策を培い、ときに団交に不可欠のストライキ権の行使を辞さない至極まっとうな労働組合だ。だが、だからこそ反動化した安倍政権下の資本と権力は、収奪を規制する組合運動を威力業務妨害、組合員の争議の場での発言を脅迫・強要・暴行とあえてねじまげる。これを特定の業界と地域に限られた謀略として見過ごすなら、長い労働史の貴重な遺産である労働者の基本権、ひいてはおよそ民主主義の枢要領域は確実に死にいたる。許してはならない。関生支部の受難は労働者・市民全体のものと気づきたい。力をあわせてこのファシズム的な攻撃を粉砕しよう。
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たたかう労働運動の権利を守りましょう
弁護士(元日本労働弁護団会長)
宮里邦雄さん
関西生コン支部に対し、いま近年まれにみる不当な刑事弾圧が加えられています。
労働基本権保障の核心は、労働運動に対して国家が刑罰権を発動してはならないという刑事責任からの解放にあります。
今日の大弾圧は、この労働基本権保障の核心たる刑事免責に対する重大な挑戦です。
一部事業者と警察権力が結託した今日の弾圧は関西生コン支部の組織破壊を企むものであり、警察に求められる政治的中立性からも厳しく批判されなければなりません。弾圧を許さない広範な世論の形成をし、たたかう労働運動の権利を守りましょう。
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闘う労働組合に対する弾圧
弁護士(秘密保護法対策弁護団共同代表)
中谷雄二さん
この事件は、闘う労働組合に対する弾圧です。同時に物を言う市民に対する見せしめでもあります。この弾圧を許すことは、権力に対する歯止めである憲法の労働基本権を警察と司法が踏みにじることを意味します。憲法改正を狙い、戦争する国へとひた走る安倍内閣は、警察を利用して関西地区生コン支部に対して無法な弾圧をかけてきました。警察による監視・弾圧は、住民運動(名古屋白龍町マンション建設反対運動弾圧事件・無罪確定)や市民運動(大垣市民監視事件)にも拡がっています。すでに一般市民にまで監視・弾圧が及んでいます。個別の人権侵害だけにとどまらず、憲法秩序を崩壊させようという策動が始まっているとさえ感じます。このような弾圧は絶対許さないという大きな声を上げましょう。