3月8日、大阪労働者弁護団と大阪社会文化法律センターが、関西地区生コン支部に対する不当弾圧に抗議する共同声明を出した。以下は、声明の全文。
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労働運動に対する大規模かつ執拗な刑事弾圧に断固抗議する!
関西の労働運動を力強くリードしてきた全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部(以下「当該労組」という)に対する大規模かつ執拗な刑事弾圧が続いている。
発端は、昨年7月に滋賀県警組織犯罪対策課が県内の生コン協同組合の理事らを逮捕したことであり、容疑は、共同販売を行う協同組合がゼネコンに対し、協同組合に加入していない業者(員外社)からではなく、協同組合から生コンを買うよう働きかけたことが恐喝未遂にあたる、というものであった。
以来、同じ容疑で当該労組の執行委員4名が逮捕され、次いで大阪府警警備課が、2017年12月に当該労組が生コン会社や運送会社に対して行ったストライキが威力業務妨害にあたるとして、組合員ら計28名を順次逮捕・再逮捕し、さらに滋賀県警は、上記恐喝未遂と同じ容疑で、あるいは威力業務妨害容疑で、建設現場において法令遵守啓蒙活動を行った組合員ら、またゼネコンの会社周辺でビラまき活動を行った組合員ら計24名を順次逮捕・再逮捕した。のみならず、滋賀県警は今後も逮捕があり得る旨公言し、京都府警も任意・強制の捜査を続けている。
以上のとおり、今日までに逮捕・勾留された組合員は延べ57人に達し、うち38名が起訴され、大津地裁と大阪地裁に係属している。
当該労組は、中小零細の事業者がひしめく生コン産業においては、労働者の生活と権利を守るため、事業者団体である協同組合の受注拡大を図っていくこと、及び員外社の協同組合への加入促進を図ることが必要であると考え、個別企業の枠を超えた産別運動を展開してきたのであるが、目下進行中の大弾圧は、このような運動を壊滅させることを目的としていることは明らかである。
そして、これを見せしめにして関西地区における労働運動そのものを萎縮させ、企業内化させることを目論んでいると考えざるを得ない。
今回の執拗な刑事弾圧は、労働者と労働組合に対し労働三権を保障した憲法28条の精神を踏みにじるものであり、これに対しわれわれは強い怒りをもって抗議するとともに、速やかに権力行使に終止符を打ち、身体拘束された組合員らを釈放することを求めるものである。
2019年3月8日
大阪労働者弁護団 代表幹事 森 博行
大阪社会文化法律センター 代表理事 池田 直樹