12月6日、秘密保護法対策弁護団総会において、関西地区生コン支部に対する権力弾圧は「共謀罪のリハーサル」だとして抗議する声明が採択された。
5年前、秘密保護法が強行採決された。昨年は共謀罪を創設する組織犯罪処罰法改正案がこれまた強行採決された。どちらも安倍内閣の「戦争をする国づくり」の一環であり、これに反対する弁護士が対策弁護団をつくって問題点をあきらかにしてきた。
今回、このふたつの対策弁護団が、関西地区生コン支部に仕掛けられた権力弾圧に抗議する共同声明を出した。
声明は事件の概要を伝えたうえで、「これらの事件は、共謀罪が直接に適用された事件ではなく、秘密保護法に関する事件でもない。」としつつも、「しかし、労働組合の日常的なコンプライアンス活動や争議権の行使の一部を犯罪事実として構成し、これに関与した組合員を一網打尽で検挙し、デジタル情報の収集によって関係者間の共謀を立証することで犯罪を立証しようとしている点」に着目するならば、「共謀罪型弾圧の大規模な開始を告げるものと捉え、これに対抗する態勢を整えなければならない。」と警鐘を鳴らしている。
そして、「秘密保護法にも共謀罪処罰規定が組み込まれているところであり、本件のような共謀罪型弾圧は決して容認することができない。本件のような共謀罪型弾圧が、仮に見過ごされ、捜査機関の手法として定着してしまうと、将来、秘密保護法違反被疑事件が起こった際に、同様の共謀罪型弾圧がなされ得ることは想像に難くない。」と指摘。
そのうえで、「秘密保護法対策弁護団と共謀罪対策弁護団は、この未曾有の大弾圧に対して強く抗議し、当該担当弁護団と連帯してその拡大を許さない陣形を構築することを、広く呼びかける。」としている。
なお、声明は秘密保護法対策弁護団の総会で採択され、共謀罪対策弁護団の共同代表と事務局長が賛同する形式で公表されており、秘密保護法対策弁護団のブログで全文を読むことができる。
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