連帯ユニオンが全国大会 権力弾圧に対する怒りを共有、反撃を宣言

武建一委員長をはじめ役員4人が不当逮捕されるなど、関西地区生コン支部に対する異常な権力弾圧がつづいている。連帯ユニオンは9月16,17の両日、第35回定期大会を熱海市内で開き、全組織をあげて反撃を開始すると宣言した。

大会の冒頭、菊池進委員長は強い怒りを込めて次のように表明した。

「私はまず、この異常な権力弾圧に対する激しい怒りを組合員全員で共有し、勾留されている仲間を一日も早く取り戻すために、全組織が一丸となって奮闘する決意を表明しておきたいと思います。中央執行委員会は、その先頭に立ちます。」

「わが組織は、このような理不尽な権力弾圧によって揺らぐこともなければ、ましてや破壊することなど到底できるものではない。われわれはこれからの闘争によって、警察・検察、そして、大阪広域協の一部執行部に対して、そのことを、いやというほど思い知らせてやろうではありませんか。」

来賓として参加くださった、勝島一博(平和フォーラム事務局長)、住野敏彦(交運労協議長)、福島みずほ(社民党副党首)、宮川敏一(新社会党副書記長)、真島和重(全港湾委員長)、鈴木剛(全国ユニオン会長)、木下徹郎(顧問弁護士)の各氏も、それぞれに「国家権力の弾圧にひるむことなく闘っていることに心から敬意を表明したい」「絶対に孤立させず、これを打破するべく熱く連帯していく」と力強い連帯と激励のあいさつを送ってくれた。

大会は2日間の熱心な討論で新年度方針を決め、大阪広域協の一部執行部による生コン業界乗っ取り策動と権力弾圧を粉砕することなどを盛り込んだ「大会宣言」を採択した。

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大会宣言

全日本建設運輸連帯労働組合は9月16~17日、第35回定期大会を開催し、過ぐる1年間の活動を総括して新年度の運動方針を決定した。

われわれはまず、関西地区生コン支部の武建一委員長ら幹部4人を不当逮捕した警察の異常な権力弾圧に対し、激しい怒りをすべての大会参加者において共有したこと、そして、勾留されている仲間を一日も早く取り戻すために、全組織が一丸となって奮闘する決意を固めたことを組織内外に表明するものである。

この権力弾圧は、昨年12月からつづく大阪広域生コン協組による組合攻撃に便乗してしかけられたものであり、その本質は、中小企業と労働組合の協力関係を破壊して、生コン業界民主化をすすめてきたわれわれの産業政策運動をつぶすことにある。また、沖縄の新基地建設反対運動や脱原発など、労働組合の社会的使命にもとづく当たり前の労働組合運動を圧殺しようとする政権の意図を反映したものである。

しかし、こうした不当な弾圧によってわが組織を破壊することなどできるものではない。

生コン業界は、セメントメーカーの販売拡張競争やゼネコンの安値買いたたきの手段、つまり大企業にとっては中小企業を過当競争構造のもとにおくことで不当利得を吸い上げる便利な道具してとして利用されてきた。不況期には、そのツケが、中小企業の倒産や閉鎖、労働者の労働条件切り下げと失業、そして、市民にとっては生コンの品質不良となってあらわれる。

このような大企業の収奪に使われる産業であることを止め、中小企業と労働者が中心になって民主的な産業構造に改革すること、それによって中小企業の経営安定、労働者の雇用安定、生コンの品質確保を一体的に追求する。それがわれわれの産業政策活動である。その運動が、大阪、和歌山、奈良、京都、滋賀など近畿一円に広がり、生コン業界のみならず、バラセメント輸送、コンクリート圧送など関連業界にも浸透した。その成果と意義は、これらの地域で生コン価格の適正化が飛躍的に前進してきたことをみれば明白である。

しかるに大阪広域生コン協組の一部執行部は、今日の生コン業界再建が労使の協力関係によって成功したという歴史的経過と事実を忘れ、反社会的なレイシスト集団と一部労組幹部を使って、われわれに「組織犯罪集団」などというレッテルを貼り、デマ宣伝をくりひろげている。かれらは、労働組合を排除することによって、関西の生コン業界を乗っ取り、協同組合をかれらの私利私欲のための組織に変質させようとしているのであり、到底許せるものではない。

こうした社会正義と道理に反する行動は長続きしないことを歴史は教えている。われわれは、これまで実践してきた産業政策運動こそが、中小企業と労働者と消費者の利益にかなうものであることを改めて確認し、不当な権力弾圧や大阪広域協執行部の暴挙を、仲間の団結の力で必ずはねかえし、新たな運動の前進につなげていく。

いま、東アジアでは平和共存への歴史的転換がすすんでいる。この局面を切り開いた原動力は不正な独裁権力を退陣させた韓国民衆のキャンドル革命であり、その事実はわれわれを勇気づけてやまない。安倍内閣は強大にみえるものの、森友、加計、自衛隊日報かくし事件などをきっかけに、政府に対する国民の不信はかつてなく高まっている。

このチャンスを生かし、東アジアの潮流に敵対して、軍事大国化と憲法改悪にむかって暴走するこの政権を早期に退陣させることは可能であり、それは東アジアの民衆全体の利益にかなうものである。われわれはその使命を自覚して、その先頭に立ってたたかう決意を固め、本日この瞬間からただちに実践していくことを本大会の名において宣言する。

以上

2018年9月17日

全日本建設運輸連帯労働組合第35回定期大会